腰痛について

 生物は進化の過程で、水中生物から陸上にあがり、四足歩行の生活をする様になりました。そして更に進化を経て、二足歩行という曲芸的重力バランスに適応してきました。

 四つ足の動物からしてみると、二足歩行はまるで「逆立ちをして歩く」くらい不安定なもの。しかし人間は、その不安定な状態に適応し、立派に立ち上がる運動能力を獲得したのです。お陰で今日、我々は手で物を掴んだり、細かい作業ができるようになりました。

 さて、話しを腰痛に。人間は適応したとはいえ、前述したように、極めて不安定な重力バランスによって立っています。

 例えば、赤ちゃんのようなハイハイのスタイルの造形物があったとします。机やテーブルの構造のように、横から少し押された程度では倒れません。しかし、二足歩行の様な上に立った造形物だとそうはいきません。少し押せば倒れてしまいますよね?そこで人間は倒れにくくするように、上手に上半身を利用して、可能な限り重心を移動させてバランスを保とうとします。

 これは、耳がついている骨「側頭骨」の中にある三半規管によって、今どの様な位置関係にあるのかを瞬時に把握して、反射的に姿勢のバランスを保とうとする働きによるものです。

 この関連性から見えてくることは、下半身の補正を上半身でも行うということです。

 よって、腰痛が原因で肩こりや頭痛が起こることもあり得るという事。

 ちなみに、腰痛を患われている方は、三半規管の入る側頭骨にも変異が認められます。

 下記のグラフは、日本国内における腰痛を自覚症状として訴えている数です。人口1000人に対する値です。男性は女性よりも腰痛の数が多い傾向にあります。但し、いずれの男女も、「肩こり」「腰痛」が1位2位を独占している状況です。

 

 先ほど姿勢と反射について述べました。それについてもう少し掘り下げてゆきたいと思います。

 

 自覚はあまりありませんが、三半規管のバランス機能が乱れると、普通に立っていることすらもできません。下の写真は、三半規管の入っている側頭骨を、側面と上部から見たところです(ピンク色の骨)。


 

 ちなみに、この頭蓋骨が色分けされているのは、それぞれが固有の動きをすることが出来るからです。

 

 では、三半規管が入る側頭骨が、左右で位置異常を起こしていたとしたらどうでしょうか?そう、バランスを取ったつもりでも、体が歪曲してバランスを採ってしまう。つまり姿勢の歪みも無意識の重力反射によって起こっているわけです。

 

  「骨盤がズレています」とかよく耳にしますが、これは整体業界のお得意商法です。多くの場合、全身の何処に歪曲があっても、骨盤そのものは補正作用で曲がります。この歪みの反射を鈍らせている本筋を調整した方が、よっぽど効率的です。

 

 勿論、日常生活の習慣にも原因はありますが、先ずは姿勢の反射を正常な状態にしてあげることが重要です。

主観を排除するための計測器

 当院では、NASAで認証を受けた計測機器を常備しております。これは、筋肉の活動状態を読み取る「筋電計」と、自律神経の状態を計測する「体表温度計」で、体の状態を「見える化」することが出来ます。

 このデーターは、今その方がどのような体なのかを知り、施術によってどのように改善されたのかを知ることが出来る便利なツールです。