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使われるのではなく使うため

 

音をスピーカーで鳴らすには、デジタル信号をアナログに変換しなくてはなりません。

世の中便利なもので、最近ではそんな事を考えなくても、ご親切に差し込めば音が出るものが多い。

しかし、自分でプレーヤー(PCやCDやiPodなど)、アンプ、スピーカーをカスタマイズするには、仕組みを理解していなければ何もできない。

失敗して無駄で高額な損失なんていうのはよくある話し。

買ったけど使えない。

そういう失敗を2度と起こさない為にも(賢い人は最初から失敗しない)、調べて探す「労力のエネルギー」へと転換されるわけだ。

 

そもそもアナログのレコード時代からオーディオを熟知している方からすれば、そんな当たり前なことを知らない人っているの?って思うだろう。



最近じゃ、自動車の運転もアシストされる世の中になった。

この安全、便利の追求を否定する気は毛頭ないが、この先にあるものは、人間側、もしくは扱う側の能力低下が起こるのではないかと危惧をしている。

失敗経験や、不便さを熟知した人が思う便利さと、元からある便利さはそもそもが違う。

 

私の性分では、ABS(アンチロックブレーキシステム)すら気に入らない。

 

ハンドルをロックさせてしまった人がABSを選択するのならまだ分かる。

 

が、今やそれすらも何の機能か知らない人が多いことに驚かされる。

 

ハンドルが完全にロックされた経験が無いのだろう。

 

私の世代でギリギリだと思うが、免許取り立ての時は、親父の車を乗り回す高校生。

 

つまり、ABS無しの車で悪路の夜中を競争して吹っ飛ばす。

 

一度危険な思いをしたら、あのハンドルロックがトラウマになって、嫌でも普段からブレーキペダルやステアリングの応答性に過敏になる。

 

その結果、滑るか滑らないかの境界線の感覚を覚えることになる。

 

冬道を走行していると、この寸前の感覚が本当に役に立つ。

 

私なんか、むしろABSが無い方が操縦している感がある。

 

雨の高速道路でも、直線だと安全なので、一度は一気にアクセルを踏み込んで、ハンドルが利くか利かないかの境界までスピードを上げてみる。

 

路面に浮いた水の状況や車種によっても違うが、130キロも出せば、おおよそステアリングの応答性が怪しくなってくる(ハイドロプレーニング現象)。

 

そうしてみないと、その日その時の路面状況で、どれだけスピードを出したら危険なのか、どれだけの急ハンドルが危険なのか、基準を作ることができない。

私にとっては石橋を叩く行為。

 

それを人に言うと「危ない!」と言われるが、きっとそういう人は、ステアリングやブレーキペダルの応答が感じられていないのだと思う。

 

これは、車だけに限ったことではない。

 

職人的な能力には必須の経験感覚だと思う。

 

人間の脳や感覚器は、皆さんが思っているよりも細かなレベルまで嗅ぎ分ける能力を兼ね備えている。

 

便利であることによって、そこの領域の感覚器を鈍化させてしまっているという意味合いで、あまりにも思考停止社会が異常すぎると思うのは私だけだろうか?

危険も安全も、人からもたらされるのではなく、自分の経験則から得るものだ。

 

あ、添付した画像は「RCAケーブル」というもの。CDプレーヤーからアナログ変換した音を、アンプまで送信するケーブル。

 

これ一つとっても、多数の会社から販売されているが、それぞれ全然音の出方が変わるんですよ。