
今日からまた北海道。梅雨の湿度から逃げられます。
羽田空港へ向かう最中、品川から京急に乗りました。
車内は結構空いていて、私は座席の端に座っていました。すると、ちょうど対角線状側の端に、目立つ動きをする男性。
見た目は60歳代で、半袖短パン。所持品はスマホと新聞と少々デカイ財布。
手ブラ派なら、財布は小さくて良いのでは?もしくは財布をカードケースにして財布無しでも?
と思うチグハグ感。
片足を抱えるように、座席に素足を乗せ、団扇で顔を扇いでいる。
すると、おもむろにこのデカイ財布を開けて、中の領収証の整理を始めた。しかも、座席ではなく床に並べて。
適当?と思えるようなスピードで行う。真相は彼のみぞ知るところだろうが、一通り終わると「よし!」と大き目の声を出す。
すると、電話の着信音が。
まぁ勿論というべきか、躊躇も無く、そして「もしもし」もなく、「おい、今どこだよ!・・・麻布十番だぁ?俺電車間違えて降りらんねぇよ、18時な(じゃあなもなく切る)」。
今度は暇になったのか、前に座ってる女性に話しかける。
「どこまで行くの?」と。
女性無視。
「おいおい、怖がるなよ姉ちゃん!」
女性無視。
すると、女性にとってはナイスタイミングで、再び男性の電話が鳴る。
お決まりのように、もしもしはなく「おいどこにいんだよ!・・・三浦海岸でサーフィンだぁ?馬鹿野郎、俺電車間違えた、18時な18時(再びじゃあなも無く切る)」。
上手く逃げ切れたかのように見えた女性だったが、再び暇になったこの男性の餌食に。
手元の新聞を開いて、姉ちゃん「江戸城の殿様どう思ってる?」と。
やはり無視。
すると、いきなり立ち上がって、この無視し続ける女性の膝上にあるカバンにトントンとしながら「どうだ、江戸城、江戸城知らねえのか殿様の事だよ!」と。
それでも女性はスマホ画面から一切目を離さない。
諦めた男性は、座席に着いて、団扇を仰ぎ暇そうにしている。
暫くすると、また電話。
「電車間違えた、おぉ18時な」で終わり。
おとなしくなったと思ったら、何やら息を大きく吐く音が。
気になって見てみると、な、なんとタバコを吸ってる!
鉄道営業法違反だ。
また前の女性に話しかける。
「姉ちゃん、姉ちゃん、これタバコじゃないよ!何だと思う?(女性無視)・・・マリファナだよ!」と。
まぁ気持ち良さそうにプカプカと。
車輌に匂いが充満し始めたころ、羽田空港国際線ターミナル駅で降りて行った。
一連の流れを見ていて、私は二つ気になった事があった。
まず一つ目は、この男性、意外と金持ちなんじゃないかな?と。まず、電話相手との会話がかなり効率重視で、短時間に3回の電話。そして、領収証の数が沢山だった。あとは新聞の記事の中から、わざわざ政治ネタを持ち出し「江戸城」と言っていた辺りが引っかかる。
そして気になった点の二つ目は、この男性の前に座っていた女性。きっと年齢は「姉ちゃん」には無理があるように見えたが、これは私と彼の主観性の不一致だろう。
考え過ぎかも知れないが、私の持つ魅力度センサーが、際どいラインを行き来する人だった。
話してみて、ただのバカか天才かを知りたいところだ。