
趣味嗜好というものは個々でそれぞれあるものです。
それは、人に自慢をしたり、人に気軽に話せたりする、メジャーなものであったり、またそれとは逆に、世間体では表向きにはなかなか言う事も出来ないマイナーなものまで多岐に渡ります。
様々な方から、そのことに関してご相談を頂くことがありますが、結局のところ私には何も解決方法は提案することはできません。
しかし、自ずと解決策を見つけ出せるような事を、会話の流れで引き出す事は可能です。
仕事や人間関係の悩みなんていうものはまだカワイイ方です。
極めてプライバシーの領域内に保護されているものは、本当の事を言いにくい分、頑固な悩みの側面を持ち合わせているようです。
そして上記に挙げたような、趣味嗜好の中でも、「表向きには言えない事」に関しての悩みは、かなりの割合で健康性を害しています。
例えば、予てからずっと収集していた、激レア切手を観賞していたところ、宅急便のピンポンに反応して立ち上がった時、コーヒーを溢して8割の切手が壊滅状態になったという人。
他人からしてみれば、そんなに大事なの?と言ってしまそうなものですが、本人にとっては一大事。一から話せばなるほどね~という様に、その大切さが伝わって来て、先入観で「切手ごときに」なんて笑ってはいけない事に気付かされます。
まぁでもこういうケースに関しては、ご自身で解決できる範疇なのですが、一人で解決できないものも沢山あります。
例えば、「縛られたい」という女性。これも先入観で言ってしまうと、それはそういう事が好きな人にお願いでもしたら?で終わってしまうのですが、話を聞けばとてつもなく「縛り」にプライドを持っているみたい。
まず、性的な意味合いは一切なく、縛りを純粋に、そしてまるで「禅」の空間であるかのような雰囲気で縛られないと台無しなのだとか。
そして、日本が縛りをどの様に発展させてきたのか、歴史を知り文化を知ってから、哲学を確立する必要がある。
ま、確かにそこまでピンポイントの要求となると、単なるSMクラブでは難しくなってきますよね。
しかも、一人ではどうにも縛れないしね~。
なんて、他人事のように話をしていたら、なんと縛りを私にヤレと。
全くそんな経験もないし、そもそも理解不能な領域なんですけど、この方にしてみれば「先生なら絶対に出来ますとも!」みたいな感じ。
芸術としての縛り。
やれるものならいつでもやってあげたいのですが、残念ながらいまいちイメージが湧かないんですけどね。
そして縛られて何が満たされるのか?ってより、縛る方側も何が満たされるわけ?
私の人生の悩みなんて大したことないわ。