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散る儚さこそ美なり

私は桜が美しいと思うのは、満開になる華やかさではない。

 

花弁が美しさを残したまま、枯れずに地に落ち、そこでこれから生き行くものを飾る。

 

枯れて落ちるような生きながらいもせず、自分の終わりを察し、周囲に花を持たせて美しく去ってゆく。

 

見事な生き様。実にあっぱれ。

 

終わりこそが全ての始まりであるならば、やはり静かに一杯やりながらそれの門出を祝いたいな。私は。

 

生きるものは散り行くものの心意気に感謝し、時にはその美しさに涙し、そして去り行く寂しさにも涙す。

 

 

これに侍が惚れぬわけもなく。

 

千利休が豊臣秀吉に最後に活けた桜の表現。

 

この後、利休は秀吉に切腹を命じられ生涯を終える。

 

利休は秀吉の朝鮮進出を嫌ったと言われているが、関白に意見をするということは許される時代ではない。

 

この後、利休が反対していた朝鮮出兵で二度も惨敗。広くに敬愛されていた利休の切腹も相まって、豊臣家が急激に弱体化し秀吉は床に臥す。