

今日のこちらは雨降りの一日でした。
山ですから、雨が降るとこんな感じでガス(下界から見たら雲)に包まれてしまいます。
先程も、毎回変わらずお決まりで温泉に入ってきたのですが、峠道はやっぱり視界が無くなってしまいます。
私はいつも終わり時間のギリギリに行っています。
というか、必然的に仕事が終わるとその時間になってしまう。
そして今日も同じように。

脱衣所で服を脱いでお風呂に入ったら、なんと湯舟には大きな変な草が大量に浮遊していました。
これは珍しい光景。
湯船につかり、1人でこの大きくて変な草に猫パンチをしながら遊んでいたら、目の前から彫り物を入れた男性が1人湯舟に入ってくる。
多分年齢は私と同じくらいかな?ま、基本的に温泉の決まりには「入れ墨の方の入浴は禁止」となっているのですが、終わりの時間帯にとなると、本人も周囲に気を使ってのことかな?
私は大きくて変な草に飽きてしまったので、湯舟を出てシャンプーを済ませて露天風呂に。
手前には人が多くて、私は奥に向かって移動しました。
すると、一番奥に先程の入れ墨の方がおられる。
まぁ、お隣でいいや。
2~3分後、この男性が立ち上がって、私の斜め前を移動し始めました。すると足が滑ったのか、湯舟で転びそうになって「バシャ~ん!」と。
そう、私の顔面にお湯が!
口に入ったので、反射的に「ぺッ!ぺッ!」とするとこの男性「すみません。御免なさい。」と。
せっかくあちらから話しかけてきてくれたので、つい彫り物について聞いてしまいました。
私:「間違えでしたらすみません。背中のは不動明王ですか?」
男性:「詳しいんですか?」
私:「いや、まぁ「悪を払う意思」程度くらいしか知りませんが、熱心な方が身近におりまして。」
男性:「そうでしたか、見苦しかったらすみません・・・あなたも何か彫られた経験が?」
私:「いえいえ、私は小心者でそんな度胸はありませんから何も・・・。その不動明王には何か思いでもおありで?」
男性:「他界した私のばぁちゃんが昔から不動明王が好きで、昔も今も私の守り神にしている。」
私:「それは素晴らしい、では彫り物とか入れ墨とかタトゥーと呼んでは失礼ですね(入浴をダメだとする理由もない)。」
男性:「はっはっは!」
という会話。
確かにルールではダメなんですけど、あんなに度胸がありそうな人でも、やっぱり周囲を一応気にされておられた。
もっとも、仮にただ「カッコいいから」ということだけであれば、私も多少は不快に思ったのかもしれない。
そして温泉を出た後、まだ温泉に浮いていた、大きくて変な草がなんなのか私は知らなかった。
それを知ったのは車に乗って、スマホでここの温泉のHPを見たとき。
「菖蒲湯=菖蒲は昔から邪気を払うものとして重宝されてきました」と。
なるほど、不動明王に邪気を払う菖蒲。
もしかしたらあの男性は、これにどうしても入りたかった理由があったのかも知れないな。と。
猫パンチして変な草と言っていた自分の考えが浅かった。