
よく言いますよね、世間一般的に曖昧な説得力を持つ「バランスが大事だよね!」という言葉。
平和的な解決の落としどころとして、会話の終焉に「偏るのは良くないバランスが大事」という決まり文句。
え?何か解決したの?と。
確かにバランスは大切だとは思いますが、これが何でもかんでも正しいかのように使われるのには、薄っぺらくて納まり処の悪いような違和感を覚えます。
他にも表現として、会社経営はバランス感覚だ!とか。
聞こえはいいですよね?代表取締役が雑誌やメディアでそんなことを言っていたら、確かに説得力があるかも知れません。
しかし考え方によっては、何かを打破するときというのは、他よりも明らかにバランスを欠いた、いわばタブー路線を突き進むことも必要です。
どことは言いませんが、そういうバランス重視の代取の会社に限ってHPを読んでみると「他社にはない強味」だったり「個性」の文言を多様し「未来を切り開く」とか、かっこよく表現をしています。
ま、大きな企業であれば、規模拡大の路線よりも、全体性の維持という意味合いでは理解はできます。しかし、小さな小規模事業で「経営とはバランス感覚だ」なんてよく言えたものだなと思います。
だって 1 しかないもののバランスってどう頑張っても全部が 1 にしかならないわけじゃないですか。
つまり、 1 に対してどれだけバランスを取ったとしてもたかが知れているわけで、自分の事業規模を100や200と見誤っているのか?とすら思ってしまいます。
カリスマ経営者の哲学本に感化され、安い言葉の真似ごっこでもしたいのでしょうかね?
それじゃあ、世にある会社の中で、最低 1 以上の同業他社には敵うわけもなく・・・。
特許を取って参入障壁を持っているのならまだ分かります。しかし基本、他よりも秀でたところを持たなければ成長も限定的で選ばれることもありません。
小さな会社が大きな会社に下克上するには、虫メガネで光を集めるように、一点に労力を集中するしか他より秀でることはできません。
これは明らかにバランスを欠いた状態です。
成長や変化とは、バランスを欠きながら突破して行くものだと思うのは私だけなのでしょうか?