肩周辺の筋肉について/六本木GEN流院

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肩の筋肉について

 人間の肩関節は、進化の過程で二足歩行を実現してから、大幅に関節の可動域が増えました。このことから、「自由に動ける=固定ができなくなる」という欠点も出来上がりました。骨が物理的に嵌まり込んでいる関節では、大きな可動域は実現できないのです。では、どの様に人間の肩関節は固定されているのかというと「筋肉及び軟骨」によって、全ての固定を実現しています。これにより、腕を後ろに回したり、天井方向に挙上したりと、多様な運動を実現しているのですが、一方で、これらに異常が発生すると、見た目にもわかる動きの制限が発生します。
 また、肩周辺の筋肉は、特に喉や気管支、肺などの呼吸器系と、心臓といった脈管系に影響を及ぼします。特に、心臓疾患と左腕の握力の減少は、論文でも発表されている様に、筋肉と内臓の関連性はもはや無視できないものとなっています。

このページの目次

 

筋肉は内臓の機能と連動します

内臓の神経(交感神経)は筋肉を動かす神経と連絡している

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筋肉の働きに異常があると内臓が健康状態にない可能性がある

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整体によって筋肉の異常を正すことで病気の予防ができる

*これらのことから、筋肉が凝ったり痛んだりすることを放置しておくと、長期的には病気のリスク要因となります(腰部の神経の内臓についてはこちらのページ

 

当院の特許は、内臓の神経活動を体表から分析することが可能です

肩周辺の筋肉

広背筋

【広背筋】

 この筋肉は、腰部の筋肉の所でもご紹介しました。名前の通り、それだけ広範囲へ影響を与える筋肉なのです。腰部の項目と重複しますが、 この筋肉は、骨盤部分から上腕部分(腕)にまで及びます。広背筋の緊張は、腕を引き下げる力が働くため、肩の高さの左右差に波及するのも特徴です。これらのことから、肩こり四十肩/五十肩首の痛み顎関節症頭痛の原因にもなります。
 広背筋は、腰の部分にあるので、神経もその付近から伸びていると勘違いされやすい筋肉です。しかしながら、広背筋の神経は首の付近の脊髄から伸びています(C6~C8)。このことか、広背筋にある症状は、下部頚椎と上部胸椎の背骨に可動性に異常が存在します。

肩甲挙筋

【肩甲挙筋】

 肩甲挙筋は、肩関節には直接付着しませんが、肩関節の土台部分でもある肩甲骨を引き上げる作用があります。肩こりの時に、よくこの部分に手を当てたくなりますが、実際には上部の頚椎と付着しており、首凝りという表現の方が正しいのかも知れません。殆どの「寝違え」でこの筋肉が損傷を起こします。神経支配は中部頚椎(C5)から出た神経によって動かされており、頚椎5番の可動性と、この部分の緊張は比例します。

僧帽筋

【僧帽筋】

 僧帽筋は、一番表層部分にある大きな筋肉です。最も特筆すべきところは、脊髄を介さず、直接脳から伸びた神経が僧帽筋を動かしていることです。例えば、突如として眼球に向かって飛んできた飛散物を瞬間的に避ける動きであったり、転んで頭を打ちそうになった時に頭部を保護したり、また、上体の姿勢を調節するなど、重要な部分の防御反射で収縮する筋肉です。このことから、体全体の歪みを補正する時に緊張を起こすため、身体の状況を分析するには重要な筋肉となります。広範囲にある筋肉ですが、これも肩甲挙筋同様に、肩甲骨に付着しているため、肩関節の土台を歪める要因となる筋肉です。

菱形筋

【菱形筋】

 菱形筋は、肩甲骨の内側にある筋肉で、背中の辺りをゴルフボール等でゴリゴリしたくなる凝りや痛みの原因部位です。走行通りに肩甲骨を内側と、若干上に挙上させる筋肉で、肩を持ち上げたり、背中側にシワを寄せる様に、肩甲骨を引き寄せる時に使われる筋肉です。神経が頚椎の中部(C4~C5)から出ているため、この部分の背骨の可動制限がある場合、肩甲骨を引き寄せる動きが左右で乱れます。また、頚椎5番目は、頚椎ヘルニアの好発部位であり、椎間板による神経圧迫で、この肩甲間部に痛みを発症する人もいます。