電波で整体を行う

・電波の習性

 まず、電波にはどの様な習性があるのか理解しなくてはなりません。何故ならば、ただ電波を体にあてるだけでは、殆ど変化は起こりません。その理由は「電波は水を通さない」という絶対的な理があるからです。この手の実験は、古くから沢山行われてきた様で、国会図書館などで調べれば、マニアックに色々と挑戦されている方の奮闘記が、少数ではありますが資料として残っています。

 例えば、洗面器に水を入れて、その中に電波受信装置を入れ、どの程度電波が届くのか?という実験があります。先に述べた通り、電波は水を通さない性質がある(専門的には減衰と呼びます)のです。ですからこの理の通り、大部分の電波は水の中を通過しません。ついでに、ゲル状の素材でも水と同様に、電波を通すことは極めて困難です。

 一方、水は通さないとしたら、同じ液体で「油」はどうでしょうか?「水が無理なら油も無理では?」と思うでしょ?実は、同じ液体に見えても。油は電波を良く通すのです(減衰量が少ない)。ですから、電波や電場の様な電気を活用すれば、天ぷら油などの中にこれを通すことで、揚げ物などに様々な現象が起こるのです。

・人間の体はどうなのか?

 さて困りました。何故かと言えば「人間の体は殆どが水」で出来上がっています。細胞そのものも大部分は水です。だとしたら電波は通さないのでは?というのが一般的な考えです。電波通過の計算式は下記の様になります。

 難しいので結論だけ言いますと、電波は強い方が体の中に入らない可能性が高いということです。ですから、GHz(ギガヘルツ)の周波帯は、その強さに反比例して、体の表面で減衰分散されてしまうわけです。では、弱い電波ではどうでしょうか?下のグラフを参考にすると、10kHz以下が比較的減衰量が少なくなり、よって体内に多少は届くということになります。

・それでも難しい体内への電波侵入

 近年は携帯電話など、電磁場による健康被害を気にする人が多くいます。これについても様々な研究がなされており、私が目を通した中では、学術的には生活で身の回りのある家電製品では、再現性のある健康被害は起きていません。唯一、電子レンジは結構強烈なので、温めている最中に付きっきりで覗くのは控えたほうがよさそうです。ただ、中には「過敏症」という方もおりますので、そこの部分で一定の再現性が記録できないというわけです。ですから、この体表面で電波が減衰する仕組みは、考え方によっては電波や電磁場に対してシールドを有しているとも言えます。

 ということで、電波を活用して整体を行うことは「理論的には無理である」という結論に至るわけです。しかしながら、この体の電波シールドには弱点があります。そこをつく形で、なんとか数値状の変化を記録することができました。

・シールドをブレイクスルーさせる

 何度も言いますが、電波は普通にあてるだけでは、体表面で減衰して分散して終わります。当方は、NASA(米航空宇宙局)で認証を受けた、筋電計を所有しています。この筋電計で、筋肉がどの程度緩むのか観察してみました。

 まず、筋電計とは、筋肉から発する微弱な電気を読み取るもので、分かりやすく言うと、筋肉の緊張度合いを数値化する装置です。計測スポットを決めて、そこに低周波用の電極パットを代用し、電波印加を行います。私の研究では、5分を印加時間として標準化しています。下の図は、筋電計にて15秒間計測した波形で、電波印加の前後比較です。

電波印加前
電波印加前
電波印加後
電波印加後

 ところが、ここで大問題を発見しました。電極パットを5分程度貼り付けると、計測部分環境が、計測前と計測後で変わってしまうという部分です。電極パットは肌呼吸を阻害し、その部分が保湿される格好になります。これにより、「読み取り電極が皮下の電気を読みやすくなったから、計測結果に変化が出たのでは?」という疑問。ならば、計測前に5分間電波通電を行わずに、ただパットを貼り付けた状態にして、一度パットを剥がしてから計測し、電波印加のために再びパットを貼りつけ、そして結果を読み取る。この工程で試してみました。この結果、