電波振動における横隔膜EMG数値の改善例

2022年1月24日

<要旨> 機械で身体を分析し,機械によってどの程度の変化が体に現れるのかを知った上で,逆説的に手技代替療法における再現性を立証したいと著者は考えている.今回の実験研究は,横隔膜付近を筋電計によって数値化し,その神経経路及び横隔膜レベルに対し,電波による50kHzの振動を印加した.それにより,横隔膜周辺の筋電計数値が減少を示したのでその変化について報告する.これまで,手技代替療法の現場では,感覚的側面に多くを委ねてきたが,時代の流れにおけるIT化など,我々に求められる像も当然のことながら時代と共に変化してゆくものである.プロフェッショナルとは,より新しいものを偏見なく貪欲に取り入れ,必要であれば自らをそれに適応させ,不必要であればまた模索を繰り返すことによって,業界の常識を転換させられる人であると著者は思う.結果は未来の誰かが勝手に論評すれば良い.しかしながら,機械に頼ることと自らの感覚的側面を退化させることは決して同列にあってはならない.これらを活用して自らの技術を向上させることこそが手技代替療法業界の発展的展望ではなかろうか.

はじめに

我々の生命維持に欠かせない最も重要な働きのひとつとして呼吸があげられる.呼吸器は生活に必要な酸素をとり,その分解産物である炭酸ガスを排出する.最も原始的な場合には皮膚がこれに預かる(皮膚呼吸)1).また呼吸は,体内における循環を指す用語に用いられる場合もあり,例えば胎児期には肺における呼吸は行われないことから,中枢神経系の脳脊髄液循環を第一次呼吸と呼んでいる.その後,分娩を経て胎盤から切り離され,肺での呼吸が開始される.今回の研究はこの肺における呼吸,すなわち肺呼吸の働きを扱った内容である.肺呼吸は体内エネルギーの活動源であり,細胞のエネルギー生産及び排出には欠かせないもので,呼吸によって血中に入り込んだ酸素は,主にミトコンドリアで細胞のエネルギー生産(ATP:アデノシン3リン酸)に用いられる.その結果発生する二酸化炭素を,今度は細胞から血中へ戻し,再び肺へ送って体外へ排出される.よって肺胞内における毛細血管とのガス交換を外呼吸,毛細血管と細胞間で行われるガス交換を内呼吸と呼ぶことで大別されている.一般社団法人日本呼吸器学会によれば,慢性呼吸不全とは,大気中から酸素を体に取り入れて,体内でできた炭酸ガスを体外へ放出するという肺本来の働きを果たせなくなった状態を呼吸不全と定義している.具体的には,正常では動脈を流れる血液中の酸素分圧は100mmHgに近い数値が検出されるが,60mmHg以下になると呼吸不全として異常値に扱うから,呼吸器疾患を疑うわけだが,心不全や酸素を運ぶヘモグロビンの減少など,肺以外における原因も隠れている場合がある.本実験は,この60mmHg以下の疾患者及びその疑いのある者を対象に行なったものではなく,呼吸運動の主要筋である横隔膜の活動値を分析して,呼吸の動きを再現する筋骨格系の観点から述べている.例えば,呼吸の動きは1日に約2万回程度反復的に行われている運動だが,上記のような呼吸器疾患による呼吸不全がなくても,パルスオキシメーターで血中酸素飽和度(SpO2)を計測すれば,正常値が100~96%とされている中で,96%程度の低い値で生活している人が数多くいる.これは,骨格的な円背姿勢と拘束的換気障害(草刈・佐々木 2003).2)やエアースタビライザーを用いた姿勢制御訓練(田中 2012a)3)などの通り,姿勢的要因と換気量についても説明ができるが,著者はこの姿勢の方向からではなく,Jorge F. Velazco, Shekhar Ghamande and Salim Surani(2012b)によって行われた筋電計計測方法や,横隔膜神経伝導検査法(小森 臨床脳波,Vol49No.2.2007)にある方法を参考に,横隔膜の活動値を計測することで説明をしている.酸素欠乏は軽微であったとしても,二酸化炭素の発生源である細胞内で起こった酸素消費の蓄積が血管回収されず,身体への影響では集中力低下,作業性の低下,筋力低下,頭痛,耳鳴り,疲労感が起こることが報告されている.また違う側面では,徳田によれば,学生との面談における呼吸を用いた心理療法の意義についても述べている(1999).これらによって受ける,体内細胞へのダメージ,及び心理的,精神的な負担が健康に悪影響を及ぼす範囲は想像に難くない.

*本文は六本木GEN流院と株式会社エバートロンによって試験実施をして作成されたものです引用には許可が必要です

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